「うふふ」
その頃、私はまだ、司法試験の夢破れ、目標も見つからず、ただ「これからはパソコンの時代よ」という母の勧めで、ぶらぶらと資格の学校のパソコンのクラスに通い始めた頃だった。人生がつまらなくってしょうがなかった。よく学校の喫煙所に入り浸っていた。
そこにタバコを吸いに来たのが、のの彼君だった。ちょっと挨拶し、「何の勉強してるんですか?」などと聞いてみた。特に「ビビビッ」ときたりインスピレーションを感じたわけではない。暇でつまらなかったから、タバコを吸う間、いろんな人と少しだけお話することはよくあった。
「社労士です」とのの彼君は言った。「ウチの母親、社労士なんですよ~」私が言うと、「そうですか~」と言いながら、うふふと笑った。今ものの彼君のこの、うふふは変わってないな。
タバコが吸い終わってももうちょっとしゃべりたかった。「お茶でもしませんか?」と言って外に連れ出した。それが全ての始まりだった。
のの彼君は、会社を辞め、わずかな貯蓄を元手に社労士の勉強をがんばっているところだという。私は受験勉強のプレッシャーがどんなものか分かっていたし、まして、男の人が無職で受験勉強していることの過酷さはどんなものだろう、と想像した。でも目の前で、うふふと朗らかに笑うこの人から、そういう険みたいなものが微塵も感じられなかった。
のの彼君はマイペースだけど丁寧にきちんとよく勉強していた。それをみていた私も自然に「またがんばってみようかな」と思うようになった。それまで腰掛でやっていたパソコンも、難しい検定までチャレンジするようになった。
勉強の後は、私ものの彼君もお金がなかったから、コンビニでジュースを買って、外のベンチでいつまでもしゃべった。冬は、まずいコーヒーを大量生産している喫茶店でコーヒー一杯を大事に飲みながらしゃべった。
そりゃぁ、いつも二人で笑っていたわけではない。のの彼君が試験に落ちた日もあった。私がなんだかやるせなくて泣いている時もあった。そんな日を回想しのの彼君の性格を綴った記事は以前書いた。
晴れて結婚することになった昨年の夏。私の母親に挨拶にのの彼君が来た。「社労士の勉強中も本当に支えてもらった。社労士になれたのもののさんのおかげだと思っている」とのの彼君は母親に言った。その時は、さすがに涙がこぼれた。支えてもらったのは私の方なのに。
それまで結婚というものにあまり執着がなかった私も、今では結婚って案外いいじゃん、なんて思っている。裏表のない人だとは分かっていたけど、本当にそうだった。見栄を張るとか、気取るということを知らない人で気負いが全くない。いつも朗らか穏やか、「うふふ」がトレードマーク。ロマンチックさまで全くないところはちょっとつまらないけど(笑)
気取らないでも充分に育ちがいい。これはお金とか家柄とかそういうのとは全く違って、とにかく自然にしていてもきちんとしてるのだ。よくここまできちんと両親が育てたものだといつも感心している。
もちろん、私とのの彼君はまだまだこれからの方が長い。これからだっていろんな時があるだろう。でもどんな時もきっと、のの彼君のこの「うふふ」に支えられるのだろう。だから私ものの彼君が「うふふ」と笑っていられる家庭を守りながら、のの彼君のそばにいよう。
そういうのが夫婦っていうものなのかな、と想像している。
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コメント
うーん、素晴らしいフォトエッセイだー。
なんだかほっとした気持ちになったよ♪
なんとなく出会えたような二人に見えて
実は神様が結びつけた愛なんだよね*
投稿 furuta | 2006/04/11 13:28
ステキなお話でした♪
このお写真のように、ののさんものの彼さんも
ほんわかおだやかなんでしょうね。
ほんわか心があったまりました。
ののさん、ありがとうございます(o^^o)
投稿 miu | 2006/04/11 14:43
いいなあ。ぼくにもこういう出会いがほしかったなあ。
ぼくも結婚してるけど、惚れ直すとかいうことがないんですよ。
贅沢なことなんでしょうけどね。
多分幸せなんです。ぼく。
投稿 minton | 2006/04/11 16:16
furutaさん、こんにちはーー。
ありがとうございます。furutaさんに褒められちゃった♪
furutaさんに褒められるなんて異常に嬉しいんですけど!
こうやって振り返ってみると
普段あまり気に留めていない「神様」とか「運命」とか、どうしても感じてしまいますね。
タイミングも息もぴったりだった。
出会ったのが改めて、不思議です。
投稿 のの | 2006/04/11 17:05
miuさーん、こんにちはーー。
ありがとうございます。
ステキなお話、なんて言われちゃって、てれっ♪
自分ではあまりステキな話だと思ってなかったので嬉しいです♪
のの彼君はほんわかおだやかなんですけどね~。
いかんせん、私がね~、ザツなんです…(^^ゞ
心があったまるなんて言ってくださって、こちらこそありがとうございました。
投稿 のの | 2006/04/11 17:12
mintonさん、こんにちはーー。
mintonさん、相当モテたんじゃないですか~?
この~このぉ~いろいろな出会いがあったくせにぃ~(笑)
奥様、mintonさんが外に向かっていけるような
ステキな家庭を支えていらっしゃるのでしょうね。
多分幸せなんです、mintonさん♪
投稿 のの | 2006/04/11 17:17
まず、桜の写真の見事さに目を奪われました。
そして、旦那さんとのことをこんなに素直に表現できるなんて素敵なことだと思いました。僕の場合、こういうことは気恥ずかしさが先に立って、なかなかうまく表現できんのです。。。
投稿 futashi | 2006/04/11 20:48
ステキなお話ありがとうございます。
とっても、ステキな旦那様ですね。
その人に出会ったから、自分が
変われることがありますよね^^
そして、朗らかなところが良いですよ!
この写真もそういう感じが出ていますよ♪
投稿 ricora-s | 2006/04/11 23:05
こんばんわ、はじめまして*
先日はコメントくださり、アリガトウございました。
桜のじゅうたんのお写真、とっても素敵です。
なぜだか、キュンとしてしまいました。
そしてのの彼さんとのお話も、温かいですね*
いいなぁ、私もそんな風に思える人と、一緒に居たいなぁ***
また遊びに伺いますね
投稿 salut-salut | 2006/04/11 23:21
futashiさん、おはようございます。
桜、お褒めの言葉ありがとうございます♪桜畑の中で夢見心地で撮った写真です。
あはっ、主人のこと書くのには、結構骨が折れました。書くことがありすぎて、永遠に続きそうな文章になってきちゃったり。
女性の方がこういうことあけっぴろげなんでしょうねーー。男性はシャイだから。主人にこれを見せたら、「うふふ」と言って、去っていきました…。
投稿 のの | 2006/04/12 08:41
ricora-sさん、おはようございます。
主人のこと褒めていただいてありがとうございます♪
そう、ズバリ主人と出会って自分が変われたということを書きたかったので
読み取っていただいて嬉しいです。
主人の朗らかさには本当に助けられています。
おっと、写真、そんな感じ出てますか?嬉しいです♪
ありがとうございました。
投稿 のの | 2006/04/12 08:54
salut-salutさん、ようこそいらっしゃいました。
このようなワケのわからないブログに訪れてくれて、しかも長文駄文を読んでいただいて、有難き幸せ、素直に嬉しいです。
「桜で胸キュン」ステキな言葉ありがとうございます♪
とても個人的に温かい話だったので、温かさを共有していただけてとても嬉しいです。
salut-salutさんはあんなにステキな写真が撮れる感性の持ち主ですから、男性から引っ張りだこでしょうねーー。
また、遊びに行きます♪
投稿 のの | 2006/04/12 09:08
とてもおだやかで素敵なお話ですね。(^^)
私の娘もこんな感じで・・・だったら嬉しいな。(笑)
投稿 monk | 2006/04/12 14:59
monkさん、こんばんはーー。
コメントありがとうございます。
お褒めの言葉もありがとうございます。
自分ではあまりステキな話だと思っていなかったので嬉しいです♪
monkさん、娘さんなのですねー。monkさんのようなかっこいい感性の人を連れてくるんじゃないでしょうか。
投稿 のの | 2006/04/12 18:59
リンクどうもありがとうございました。
私のほうもはらせていただきました。
よろしくです!
娘<何かぜんぜんその兆候がなくて行きそびれるんじゃないかと心配しておりますです。(^^;
投稿 monk | 2006/04/13 00:51
monkさん、こんばんはーー。
リンクありがとうございました。
これかも、カッコイイ写真、楽しみにしてますね♪よろしくお願いします。
娘さん、絶対大丈夫ですよ~。
私もその兆候が結婚直前までなかった口ですからね。パパとしては、ハラハラものでしょうけどパパの気に入る人連れてらっしゃると思いますよーー。
投稿 のの | 2006/04/14 00:19